[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
「ねえ、まだ僕の願い事きいてくれる?」
彼は僕に尋ねた。
「もちろん。約束したろ」
「じゃあ…」
彼は彼自信の覚悟を決め、口を開いた。
「 」
どれだけの覚悟だったろうか。
怖かったに違いない。子供だった時の僕も、自分が変わる事に多少の怖さはあったから。
それはもう、遠い昔のことだけど。
「それでいいの?もう、戻れないかもよ」
もし後で後悔してからでは遅い。後戻りは…なしだ。
「いいんだ。僕はあの子から離れたくないから。」
『あの子』なんて言うのは彼なりの照れ隠しのように思えた。
「へえ。好きになっちゃったんだ?」
からかうように言ってみた。そうしたら彼は顔を赤らめた。
「そ…そうとも言う…かなっ」
面白いなあ。うん、面白い。こう思うのは失礼かな。
「ふふ、じゃあ僕は何も言わないよ。…あ、でも一つだけ」
「わかってるよ」
僕の言葉を制止して彼は言った。
「あの子が僕を好きになるかなんて解らない、でしょ?」
「そう」
それも覚悟の上、か。
「例えば僕じゃなくて…ほら……」
「君じゃなくて、あいつを好きになったり」
「…って事もあるよね」
「うん」
『あいつ』でちゃんと通じたらしい。なんとなく彼が名前を出しにくそうにしていたから、こっちから話を進めてやった。
「それでもいいんだ。後悔しないよ。」
「そっか」
意思を再確認して彼に向き直る。
「じゃあ、もう一度君の願いを言って」
そう、これで終わる。僕のへんてこりんな生活も、彼の今まで生きて来た生活も。
「僕を」
あっちに帰ったらまた始めなきゃね。
今度は僕ら3人だけじゃなくて、君を入れた4人で。
「人間にしてほしいんだ」
シュガー救助隊を。